2004年 三上博史主演ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ   2004年

〜 ニッポン放送開局50周年記念公演 〜


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【パンクの洗礼】 作成:おともだち
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〜80年代〜 80年代の象徴は、MTV。

81年にアメリカでケーブルテレビ向け音楽専用チャンネルMTVが開局したの。 それ以来音楽シーンが一変したわ。 競ってビデオクリップが作られた。 パントマイムを学び映画にも出演、マルチな才能を持つボウイは70年代から熱心に斬新なビデオクリップを作っていたのは、音楽における映像の可能性を予見していたのね。 それまでのファン向けのライブ映像ではなく、ストーリー性を持ち斬新な映像作品が作られた一方、注目を集める為だけの曲と全く関係ない内容だったり、音楽以外の要素が段々重要になってきたわ。
音楽自体もディスコやクラブの発展と共にダンス系サウンドが必要とされ、ポップで代わり映えのしない音楽がもてはやされたわ。 レコード会社主導の音楽の産業化が進みミュージシャンの見栄えのするルックスが重要視されたわね。

そこでまたしても起こったのが 「イングリッシュ・インヴェイション」。 これは第2期イングリッシュ・インヴェイションって言われているわ。  「ニューウェーヴ」 「ニューロマンティック」 と呼ばれるジャパン、カルチャー・クラブ、デュラン・デュラン等と言った とってもヴィジュアルの良いミュージシャンが沢山出てきたの。 イギリスで猛威をふるってたパンクを より洗練したサウンドと、アイラインをバッチリ入れたメイクで勝負よ! 

80年代も中頃になると、絶大な人気を誇ったMTVも飽きられてきたの。 アメリカ西海岸ロスを中心に LAメタル と呼ばれるメタリカ、モトリー・クルー、ガンゼス・ローゼス等のヘヴィー・メタルのバンドが沢山出て、メタルブームが起こったわ。 ヘヴィー・メタルとハード・ロックの違いって何? って私に聞かないでね。 同じバンドをヘヴィメタのバンドだって言う人もいるし、ハード・ロックのバンドだって言う人もいるしで、私の方が違いを教えて欲しいわ。

80年代も終わり頃には、オルタナ系のグランジにヘヴィメタの派手な衣装やステージが嫌われ、またまたへヴィメタも失速。 へヴィメタは細分化してプログレとメタルが融合したプログレ・メタルは頑張っているわね。 派手な物が流行ると、それを潰す動きが出てきて、また流行って、潰して、その繰り返し。 面白いと思わない? トミー!

そして、忘れもしない 1989年11月9日ベルリンの壁、崩壊。



♪世界一周♪(byヘドウィグ)  ボストン、カンザス、アメリカ、ヨーロッパ、エイジア、ジャパン

 ボストン(Boston)
☆ボストン(アメリカ)Boston
1976年MIT(マサチューセッツ工科大学)出身のトム・シュルツと後は寄せ集めで結成されたアメリカのプログレ・ハードのバンド。 トムがボストンに住んでいたので、バンド名はボストン。 壮大な宇宙的な広がりがあるわ。 モア・ザ・フィーリングは大ヒットして、去年車のCMに使われていたわ。

 永遠の序曲(Left overture) 76’
☆カンサス(アメリカ)Kansas
文化の違いからアメリカではプログレのバンドは育たないっていわれたけど、見事にハードなサウンドとプログレを融合したのがこのカンサス。 でもやっぱりヨーロッパのプログレとちょっと違うのよ。 ピリピリした緊張感がないの。 雄大で伸びやかに感じるのは、きっとヴァイオリンが入っているせいね。 カンサス州出身のメンバーによって結成されたので、バンド名はカンサス。 英語読みではカンザスだけど、何故か日本ではカンサス、濁らないわ!

 ザ・デフィニティヴ・アメリカ(ベスト)
☆アメリカ(アメリカ)
70年代アメリカの3人組のフォークグループ、「名前のない馬」などのヒットがあるわ。

 ファイナル・カウントダウン(The Final Countdown)86’
☆ヨーロッパ(スェーデン)Europe
1983年デビューの北欧メタルの代表的なバンドで、様式美を重視して、日本人好みの哀愁を帯びたメロディアスなフレーズが特徴ね。 メタル系のファンってむさ苦しいお兄さんばっかりだけど、メンバーが美形揃いだったからメタル系では珍しく女性ファンをとりこんだ日本で初めてのバンドじゃないかしら。 日本でとっても人気があったわ! ロッカーも顔が命ね! このアルバムのタイトル曲ファイナル・カウントダウンは世界的に大ヒットしたわ。

 詠時感(エイジア)~時へのロマン(ASIA) 82’
☆エイジア(ASIA)♪(イギリス)
80年代になると、イギリスのプログレのバンドは相次いで解散。 スティーヴ・ハウ(YES)、ジョン・ウェットン(キング・クリムゾン、UK)、カール・パーマー(EL&P)、ジェフ・ダウンズ(YES,バグルス)が集まって鳴り物入りでデビューしたスーパーバンド。 83年の初来日公演は、アメリカに衛星中継されたわ。 バンド名エイジアに特に意味はないの。 ヨーロッパは、日本語読みしてるのに、何でエイジアは日本語読みでアジアってしなかったのかしらね。
デビューアルバム「ASIA」は、予想を裏切るポップな曲にプログレファンからは大ブーイング! しかし、ヒート・オブ・ザ・モーメントが大ヒット、デビューアルバムは全米1位9週の快挙。 日本では、某評論家に「産業ロック」と揶揄されたけど、3分の曲の中に「今でも俺たちはプログレのミュージシャンだ!」という誇りが一杯詰まった名盤よ。


 錻力の太鼓(TIN DRUM) 81’
☆ジャパン(イギリス)Japan(舞台でのみ追加)
80年代前半 中心人物デヴィッド・シルヴィアンの美貌 + 日本のヴィジュアル系バンドがお手本にしたメイク、彼のオドロオドロした低音とテクノ系の先鋭的な音が作る耽美な世界が、名前の通り 日本で熱狂的に受け入れられたの。  「錻力」 とかいて ブリキ と読むのよ。 「錻力の太鼓」 は、テクノ系の名盤よ。
バンド名のジャパンは、デヴィッド・ボウイの 「ジギー・スターダスト」 の歌詞 「日本から来た男」 からとってね、デヴィッド・シルヴィアンの芸名も 「ドライブインの土曜日」 の歌詞から取ったのよ。 坂本龍一教授と親交があって戦メリのテーマ曲を歌詞入りの“Forbidden Colors(禁じられた色彩)“を歌っているわ。

あと地名のついたバンドで思いつくのは、シカゴ、ブラック・オーク・アーカンソー、イングランド、UK、ベルリンかしら。


♪フィル・コリンズ♪
Phil Collins
 夜の囁き(Face Value) 81'
イギリスのプログレのバンド、ジェネシスは、ピーター・ガブリエルから、フィル・コリンズ(ドラム&ヴォーカル)へフロントマンが代わり、80年代に入るとポップ路線に大きく転換、大ヒットを生んだわ! 彼は並行してソロ活動も始めたわ。 70年代のジェネシスとは全く別のバンドになってしまったから、未だに石頭のプログレファンから非難されてるわ。 フィル・コリンズはね、見た目はとってもさえないオヤジだけど、声がとっても渋いの! う〜ん私、オヤジ大好き! 哀愁を帯びた声で世界的なソロシンガーに上りつめたわ。 プログレ出身のミュージシャンの中では最も成功した人ね。


〜90年代〜
♪カート・コバーン♪
Kurt Cobain
 ニルヴァーナ(NIRVANA)/ネヴァーマインド(Never Mind) 91‘
音楽シーンは、もっともっと細分化してジャンル分け不能な音楽がでてきたの。 それが、オルタネティヴ・ロック。 パンクやニューウェーヴの流れで、80年代の産業化したミュージック・シーンを嫌って、インディーズなどで活動していたの。

オルタナ系で頭角を現したのがグランジ。 俗語で汚い・悪いっていう意味よ。 その通り彼らのスタイルと言ったら、古着やわざとくしゃくしゃにしたり縮めたり、脱色させたりした服を重ね着して、まあ〜! よれよれ、ボロボロ!
60年代の反社会的な芸術運動として登場した ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを出発点としてね、70年代後半を席巻したパンク・ロック、80年代のニューウェーヴ、ポスト・パンクへと続いて、90年代のグランジ・ロックにたどり着いたわ。

グランジの中で頭角を現したのがニルヴァーナ。 
悲痛な叫びのようなダルダルっとしたノイズ系の音楽が、若者のハートをつかんじゃって、一気にスター!  カート・コバーンは、そのニルヴァーナのリーダーよ。

スターになったらなったで悩みが生まれてくるのよね。 彼は非常にナイーブで正直な人だったから、期待される自分と本当の自分との間で苦しんだのね。 ボウイの所でも話したけど、ボウイの「世界を売った男」をカバーした数ヶ月後銃で頭を撃って自殺しちゃった。  「世界を売った男」 の中に 「僕らはコントロールをうしなうことはない」 なんて象徴的な歌詞があって、本当にコントロールを失って死んじゃった。 94年のことだったわ。 ヘドウィグ初演の方が後だから、♪カート・コバーン、将来が楽しみ♪(byヘドウィグ)って言えないって!?

これはね、ほんの一部だけど、ロックの歴史って、奥深いでしょ〜!トミー!
音楽って突然生まれるんじゃなくて、互いに影響しながら、見えないところで脈々と繋がっているのね! こうして見ると、私って案外趣味が硬派な「男」だったのよね!
さあ、ご褒美は何がいいかしら〜?


ちょっと待って!歌詞に出てきた女性ミュージシャンのことを簡単に説明しとくわね!(”まとめ”へ)

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