2004年 三上博史主演ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ   2004年

〜 ニッポン放送開局50周年記念公演 〜


【スタッフ・キャスト・ストーリー・記録・感想】 【ヘドちゃん写真館】 【舞台感想】 【ラジオレポ】 【パンクの洗礼】 【TEAR ME DOWN

【スタッフ】
【キャスト】
【スタッフ】
2004年5月15日
パルコ劇場前にて
作:ジョン・キャメロン・ミッチェル、 作詞・作曲:ステファン・トラスク、
訳・演出:青井陽治、 編曲:横山キース英規、
日本語歌詞:青井陽治、三上博史、エミ・エレオノーラ、近田潔人
企画協力:ポスター・ハリス・カンパニー

【キャスト】
三上博史(ヘドウィグ)、
デミ・セミ・クエーバー(ズィ・アングリーインチ)

※「デミ・セミ・クエーバー」
横山英規(スクズプ・B)、 テラシィイ(ジャセック・G)、
エミ・エレオノーラ(イツァーク・P/Cho)、
近田潔人(シュラトコ・G)、 中幸一郎(クリストフ・Dr)


【ストーリー】  ※ 思いっきりネタバレです ※ (長い部分は伏字にしていますので、ご覧下さる方はドラッグして反転させてください)
   全然エロエロでない風に書いちゃったので、ヘドウィグじゃないみたいですが。(^^ゞ


ここは、ホテル・リバービュー。 大きなコンサート会場の近くにある、場末の小さなホール。
壁はレンガ。 正面には大きな扉。 その少し上に「Hedwig」の文字が映し出されている。
バンドセットと、一段下がって舞台右手には、赤くて可愛いソファーとオーブン。 左手には、ゼブラ柄のソファーと女物の衣裳。

まもなく、ヘドウィグのコンサートが始まろうとしている。 薄暗い中、バンドメンバーが舞台に。 そして押さえた声。
「レディース・アンド・ジェントルメン。 お前らが気に入っても 気に入らなくても ヘドウィグ!」

♪ジャ〜ン! ジャ〜ン!♪ 金属音。 怪しげな音の流れる中、客席中央、溢れんばかりの光の中から 毅然としてヘドウィグ登場! 何者をも寄せ付けないような誇り高い空気。 金髪ロンゲ。 顔にはインド風の女性の顔を刺繍した薄い黒のベール。 肩には角。 露出過多な上半身に黒のベスト。 黒の後ろに膨らんだスカート。 黒の編み上げブーツ(とても高いヒール)。

爆発寸前の張り詰めた静寂の中、スタンドマイクを荒っぽく引き寄せるヘドウィグ。 ガガッガガッ。
ベールをぱっと払い、ジャ〜〜ン!  ♪Tear Me Down♪!!  ヘドウィグのコンサートが始まった!!

歌にのせて、また、曲間のMCで、自分の半生、自分の恋、、、ヘドウィグは客席に伝える。(以下、しばらく伏字です)

まだベルリンの町の真ん中に壁があった頃、ヘドウィグは東ドイツに生まれた。 お母さんは美術教師。 お父さんはヘドウィグが幼い頃出て行ってしまった。 ヘドウィグ(本当はハンセル)は一人っ子。
幼い頃お母さんと一緒にベッドにいるとき、お母さんが話してくれた 『愛の起源(THE ORIGIN OF LOVE)』 の物語。 大昔、〔男・男〕・〔女・女〕・〔男・女〕で1つだった人間は神の怒りを買い2つに分けられてしまった。 その時から人は愛を知り、自分のカタワレを探すようになった、と。 自分のカタワレはどんな人? どんな風にして離れたの?  夢見、考えるヘドウィグ。

ラジオから流れる西側の音楽が大好きだった。 音が外に漏れないよう、オーブンにラジオを持ち込み頭を突っ込んで聴いていた。 曲にあわせてバックコーラスをハミングし充分楽しんでいた。 西側に行きたい。 ROCKをしたい。 あの立ちはだかる壁を越えたい。 でもどうやって? 越えようとして何人もの人が殺されていったのに。

教会の前で日向ぼっこをしている時、米兵ルーサーと出会う。 彼はアメリカのお菓子と共に自由の国へ行けるチャンスをくれた。 アメリカへ行ける、彼と結婚すれば。 でも徹底的な身体検査がある。 戸惑うヘドウィグにルーサーとお母さんからアドバイス。 「自由と引き換えに何か自分の大切なものを少しだけ手放さなければいけないのよ」 「いいお医者さまを知っているわ」。 手術は失敗。 6inch → 1inch 残ってしまった。 出国するにはパスポートが必要。。。 これもお母さんが用意してくれた。 女の子の名前もお母さんが自分の名前をくれた。

ルーサーの勧めでウィッグをかぶり、着たことのない女物の衣裳を身につけ、渡米し新婚生活を始めた。 ご近所の奥様仲間とRockバンドを作った。 人気はあったけれど、ルーサーの心はヘドウィグから離れ、あっけなく離婚。 バンドも解散。 ベルリンの壁は崩壊し、お母さんは出国した。 どこにも帰る所はなくなった。

ヘドウィグはベビーシッター等々で生計を立てた。 そこで出会ったのがトミー。 彼こそ、私のカタワレ。 ヘドウィグはトミーに愛情を注ぐ。 ”短期集中ロック講座”で、ヘドウィグの知るRockの全てを教え、一緒に多くの曲を作った。 夢のような日々。 ふたりの関係も深まりかけたが・・・「愛しているなら、アタシのアソコも愛してよ!」ヘドウィグの絶叫も虚しくトミーは去った。

ふたりで作った数々の曲でスターになったトミー。 そこにヘドウィグの名前はない。 トミーがスターになった後、偶然出会う二人。 ふたりの乗った車が事故を起こすが、マスコミにはヘドウィグ1人が悪者に祭り上げられる。  恋しくて仕方がないトミーの後を追い、トミーがコンサートをひらく大ホールのすぐ傍の小さなホールでいつもコンサートをひらくヘドウィグ。 コンサート中もトミーのことが気になって仕方がないくらいに今でも大好き。 だけど。。。


【記録】
・公演 :2004年 5都市で上演
 05/14〜06/06 PARCO劇場(東京)
 06/08〜09 シアター・ドラマシティ(大阪)
 06/15 電力ホール(仙台)
 06/17 新潟市民芸術文化会館(新潟)
 06/20 シアター・ドラマシティ(大阪・追加公演)
 06/21 愛知厚生年金会館(名古屋)
 06/23〜24 東京厚生年金会館大ホール(東京・追加公演)  ☆新宿ナイツ

・トリビュートアルバム :あり(うち3曲)
・ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ オリジナル・ジャパニーズ・キャスト・ライヴ・アルバム :2005.6.9リリース


【感想】 ※ 物語についての感想を。(なんか、ずれちゃったかも・汗)

社会的背景やROCKの知識等があれば、より楽しめる舞台だったと思います。 ですが、いずれも持っていない私にも、とっても楽しめる作品でした。 観劇直後は、三上さんの演技にドドーン!とはまっていたので、お話の筋を追える状態になるのに、かなりの時間がかかりました(笑)。

”全然お話思い出せないから冷静になろう”と努めた結果、なりすぎた気も(苦笑)。 ということで、妙に冷静な感想(っていうか、独り言)、書きます。 楽曲の一言?感想で ”物語の感想”という事に。(^^ゞ  外れた捉え方しているかもしれませんが、”こんな風に思う人もいるんだな〜”ということでご勘弁くださいっ。


「TEAR ME DOWN」 コンサートが始まってまもなくのヘドウィグは満たされない思いからか、うんと突っ張って強がって生きていました。 ヘドの周りに鎧(壁)をいっぱい感じました。

「THE ORIGIN OF LOVE」 このお話、大好きです。 とっても納得。 そっかー、だから人は交わろうとするのか〜、と。 組み合わせに男性も女性もないんだな〜、と。 こんなお話を小さい頃にママに聞かせてもらっていたヘドウィグ。 ”人間”を愛せる人に育ったのですね。

「SUGGAR DADDY」 ルーサーに出会ってからのヘドウィグ。 可愛らしい〜〜〜♪ お菓子を ”てんてんてん♪”と嬉しそうに飛び跳ねながら見つけていくところ、大好き♪  ♪女にしか男は愛せないと言うの? じゃあ、買ってよドレス なるから、女に♪(歌詞カードより)  もぉ、可愛い〜〜〜♪  ”おやじ探し”もほんとに可愛らしかった♪ すっごく嬉しそうだったんだもん(笑)。

「ANGRY INCH」 あれよあれよ、と言う間にルーサーとお母さんの助言でヘドウィグの6inchは、1inchに。 どっちの性別でもなくなっちゃった。 自らの強い意志で受けた手術と思えないだけに可哀想なヘドウィグ。

「WIG IN A BOX」 なんて可愛らしい♪ そして、なんて健気。 心が崩れ落ちそうになるのをこんな風にしてずっと今まで立て直してきたのかな。 私はこの曲がとっても好き。 小首傾げたり、ちょこっと膝を曲げて歌うところや、クッション蹴っ飛ばすところ、本当に可愛らしかったです。

「汚れた街
 WICKED LITTLE TOWN」
トミーが初めてヘドのコンサートを観に来てくれる、って時に作った歌。 嬉しかっただろうな〜、来てくれて。 まだまだ恋は始まったばかり。 ♪触れる指先を 引き寄せられるほど 幸せな過去 どこにもなかった♪(歌詞カードより) のフレーズ聞いたとき、泣けて泣けて。 新しい恋の喜びと共に果てしなく広がる底知れぬ孤独を感じました。

「THE LONG GRIFT」 参りました。 これはヘドウィグが泣いて歌えなくなって、バンドのメンバーが相談した結果、シュラトコが歌ったんですけど。 ほんとに三上さんが泣いてしまったんだと思ったんです。 オロオロしちゃいました。(^^ゞ  シュラトコが歌ってる間、光が当たらないところで、ずっと打ちひしがれたままだったので信じちゃいました。 慰めに行くイツァークとの距離・関係も良かったです。 バンドメンバーの ”どうする?”って感じの空気がすっごく良くて、あの様子にもはめられました〜〜(笑)。

「ヘドウィグの嘆き
 HEDWIG'S LAMENT」
泣くだけ泣いて、ようやく声が出せるようになって。 心から振り絞った声で歌ってて。 シャンソンみたいでとっても素敵でした。

「とびきりの死体
 EXQUISITE CORPSE」
ずたずたボロボロのヘドウィグ。 歌詞もそうなんですが、演技も もう本当にずたずたボロボロで手足がちぎれて体がバラバラに壊れちゃうんじゃないかと思いました。 衣裳もどんどん脱いで行って。 ヘドウィグ、ずっと覆っていた鎧をどんどん取って行ったんですよね。

「汚れた街
(トミー・ノーシス ヴァージョン)
 WICKED LITTLE TOWN
(Tommy Gnosis Version)」
三上さんからのメッセージだ! と思うと、くらくら〜〜♪ きゃ〜〜〜♪ どこまでもついて行きます〜〜〜♪  なんですが(笑)、すっごーく冷静になった今、トミーがヘドに向けて歌っている、と思うとトミーに対する怒りがこみ上げてきます(笑)。 ちょっと私、このトミーって人、納得行きません。 キミのカタワレ=ボク なんて図式、どうして考えられるんでしょう?(>_<)

「MIDNIGHT RADIO」 トミーのコンサートでの歌を(おそらく)耳にして、ヘドウィグはどうしたか。 泣き崩れているだけじゃなかった。 力強く立ち上がっていました。 今までヘドウィグのベースにあったのはトミーだけど、今は自分。 振り回されることなく 1人でちゃんと立っていました。 自分で立てるようになったとき、人のことも認めてあげることが出来る。 これからのヘドウィグの人生が楽しみです♪
そしてあの時、共にこぶしを振り上げた私たちの人生も。(^^


      ******

※ 物語以外の感想を。(ミーハーです:このページで最初に書いたのがここなもので・・・) (^^ゞ

ヘドウィグ、めっちゃくちゃ可愛い〜〜♪ 三上さん、すっごい! とにかく凄い。 圧倒された。
演技、凄くうまいと思ってたけど、とんでもないくらいに、凄くうまかった。
うた、うまいと思ってたけど、ここまで心に届くうた歌う人と思ってなかった。  すっご〜〜ぃ!!
三上博史って、ほんとに、すっご〜〜〜ぃ!!!\(◎o◎)/
わたし、この人のファンで良かった。 この舞台観られてよかった〜。(感涙)

ってのが、最初の感想でした。
「どんなお話?」と聞かれても、圧倒されていたから頭の中は真っ白。
「三上さん、どんなだった?」と聞かれても、すぐには何も思い出せない。
「すごいの、すごいの! とにかく凄いの!!」を繰り返すばかりでした。(^^ゞ

PARCO2・3・4日目、大阪追加、名古屋 の合計5回行きました。
(私の日記みたいなものですが、『舞台レポ』に書きましたので、良かったらご覧下さい)

三上さん、舞台前のRadio出演の際にはいつも、「露出過多な服装で来てください。 歌って踊って乗って」って仰ってました。 「ほんと? 面白そう〜」って思って、予習のため、映画のサントラ聴いて音楽覚えて、ネットでヘドウィグ関連ページ探して、あらすじ押さえて。 JCMの映画のビデオは、行ったレンタルビデオやさんが ことごとく閉店してたから(ありえない・涙)、結局見られなかったけど。。

初日に行った友人から様子を教えてもらい、「私たち、ヘドウィグのロックコンサートに行った観客として思いっきり楽しめばいいのね」と、立場を理解しました。 立場は理解したものの、「ロックコンサート、行ったことないよ? ”たてノリ”って、どんな風にするの? わかんないけど、楽しんじゃえば良いのね? でも、どこでどんな風にするわけ? 迷惑になっちゃいけないしね。」 やんや、やんや。

わくわくしながら色んな楽しい事考えて、いろんな事相談して、いろんな事やって。 my楽日の名古屋でのカーテンコールでは、「ありがとぉ〜!」と叫び続けていました。(^^ゞ

上演期間中、劇場に足を運んでいないときも(街を歩いている時も)ずっと楽しんでいました。 「この衣裳、ヘドちゃんの舞台観に行く時によさそう♪」とか、「こんな風にしたら、ヘドちゃん喜んでくれるかもっ」とか。 こんな舞台、初めて。 ただ ”観劇”に行くんじゃなかったのです。

ずっとずっと元気をもらい続けていました。 ふとした時に思い出しては、優しい気持ちになっていました。
くたびれたり、くじけたりしてしまいそうになる時もあるけれど、上演期間中、とっても楽しく過ごしたこととか、「あんなに心を込めて励ましてくれてたよね〜、”自分を信じて!”ってメッセージを届けてくれたよね〜」、と思い出すと、心がやわらかくなって、「よし、がんばろう!」と、未だに元気をもらい続けています。

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