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【2006】

ラジオ『円都通信』 岩井俊二監督との新春対談 (JFN系列)
 ・1月08日(日) 午前4時〜4時半

 ・1月15日(日) 午前4時〜4時半
 ・1月22日(日) 午前4時〜4時半 ・・・録音失敗しました。 BBSに詳細レポしてくださっていますので、ご覧下さい。
 ・1月29日(日) 午前4時〜4時半
 ・2月05日(日) 午前4時〜4時半

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・1月15日(日) 午前4時〜4時半

円都通信 第94回。(中略) そして、岩井俊二と三上博史の新春対談 第2話をお送りします。
(中略:ドラマ)

映画監督・岩井俊二と、俳優・三上博史が 今、そして今後を語る 新春対談第2話。 どんな話が飛び出すのかぁ〜!?

BGM:あいのうた(YEN TOWN BAND)


岩井監督

時代の感覚が なんか、我々が子供の頃と全く違う10年って言うか

 

三上さん

うん。

 

岩井監督

10年なのか20年なのか

 

三上さん

あぁ〜、そうですね。

 

岩井監督

どっからか、時代が止まったな、みたいな感じが凄いしてて。 あまり物が古くなんない、っていうか。

 

三上さん

それでいて、detailがものすごく変わってたりとかして

 

岩井監督

たとえば、携帯とかコンピュータ的なものは凄く変わるんだけど。 いわゆる ”時代”って言うものが たぶん今、ないんじゃないのかな?っていう。 ”時代”って言葉はあるけど、我々が体感した時代っていうものがなくなったな、っていう印象が

 

三上さん

すごく分かりやすく変わった、というか、年表書けるような感じですよね

 

岩井監督

ほとんど長続きしない、っていう。 長続きしなくて当たり前、というか。

 

三上さん

むりやり消費させているような感じ、ありましたよね。 歳末大売出しでね。

 

岩井監督

そのペースで言うとね、俳優から歌手にいたるまで、そんなに需要が長くなかったと言うか。 あっという間にね。 そこを行きぬいた人が逆に伝説化する、みたいな 結構激しさがあったのが、全体止まったな、っていう印象が凄く

 

三上さん

ドラマティックだった、ってことは、ドラマティックだったですよね。 今は、なんというか チョコチョコチョコチョコ 俺みたいに生きていけるからね〜(笑)。 生けていけてんのかな? よくわかんないけど。 まぁ、好きな事やって。 可もなく不可もなく、っていう感じですね。 うん〜。

 

岩井監督

そう思うと、我々いぃ時代に

 

三上さん

そうですね

 

岩井監督

来れたって言うか

 

三上さん

そうなんですよね。 この間も ふと山口百恵さんの事考えてて。 ほんとに活動してたのって、何年・・・でしかないじゃないですか。 5年とか。 わかんないけど。 そこまでのドラマティックな山を作ってしまうっていうのは、すごいことだな、と

 

岩井監督

山口百恵って、その時代で言うと、一番うまい具合に幕引きした人だと思うんですよ。 たぶん、トップじゃなかったですよね、あの時代。 トップを独走しているタイプじゃなくて。 ランキングとかでも1位になったことあったかな?くらいの人ですよね。 3位か4位くらいどまりの。 それを考えると、そこまで伝説化するのも不思議な感じがしつつ。

たぶん、去り際が丁度、まだあの時代だから、あと2・3年いたら消滅したのかもしれないけれど いぃところで すっと抜けた感じになってて、伝説化したんだろうな、っていう。 あの大量消費の時代でしょ? 高度成長からオイルショックみたいな流れで。 どんどん前に進む事に喜びがあって。 どんどんゴミにして捨てていっちゃう、みたいな。 そういう時代に生まれ育ってしまっていると言うか。  今のほうが逆に言うとエコロジーな環境に優しい、というか。

我々のような職業にも ちょっと優しい(笑)。 皆さんのお蔭で なんとかボーっとしてても、しばらくいるぞ、というみたいな感じの(笑)。

 

三上さん

しばらくいるぞ、みたいな(笑)

 

岩井監督

むかし、ほんと、そうじゃなかった。 ピンクレディーとか、一日2時間しか寝ないと言う状況で働き続けないといけないって言うか。

 

三上さん

表に出る役者やってても半年とか平気で休んでるしね。 こんなんでいいのかな?と思うよね。 こうやって ズルズルやらせてもらえちゃうんだからな。

 

岩井監督

安定した時期に入ったのかな、というか。 音楽とかで言うと、自分の中では90年代の最初のほうに ”ネオアコ”っていう ささやかな流れがあって。 その直前が80年代半ばくらいからヒップホップが出てきたり、その頃、クラブ系のやつが出てきたりしているうちに 最期はチョロっと ネオアコ出てきたあたりで、ほぼラインナップが出揃って、気がついたら、そのあとって、ほとんど たぶん新しいのがない、っていうか。

新しいのがないのが、15年くらいきちゃっている、っていうか。 たぶん、あそこで一回終わったのかな、って気がしますね。 そのあとの音楽って、どの時代聴いててもほとんど一緒で。

 

三上さん

引っ張り出してきたりとかね。 焼きなおしてみたりとかね。

 

岩井監督

その直前までは シンセサイザー系が どんどんどんどん出てきて。 DX-7とか、シンセサイザーが出て来たりとかして。 やたらリバーブ効かせたサウンドになっていって、それも耳に新しかったりしたのが、それも落ち着いてきて、みたいになって。 そうすると、そっから先、特にその焼き直しと言うか、音的に耳新しいのがなくなってきたせいなのか

 

三上さん

サウンドよりも まぁ でもなぁ、内面ってモノでもないしねぇ う〜〜〜ん。

 

岩井監督

なんていうのか、コピーくさい感じがする、逆に。 意外とその90年代初頭のバンドブームとか言われていたころ、そういう映画「バンテージ」という、去年、本、書いたんですけど。

 

三上さん

設定は90年代前半?

 

岩井監督

もろバンドブーム。 1990年代、という設定で。 時代的にはその前後がバンドブームと言われていて。 イカテンとかあった時代で。 流れでその頃のCD聴いたりとか結構したんですけど、その頃が一番 音楽的にも詩の世界とかでも ものすごいバリエーションがあって、こんな詩だったよな、そういえば、っていう、非常に面白かったですね。 今、ほんとに普通に腫れた惚れたくらいのところに ちょっと毛が生えたくらいの感じだけど。

かなり分けのわかんない世界から、色々あったでしょ? 

 

三上さん

これやっちゃってるから、こっちね〜、とか、どんどんどんどん隙間探しまくって、色んなバリエーションが出てたんでしょうね? きっとね。

 

岩井監督

凄い面白い時代だったんだろうな、っていうか

 

三上さん

それだけ色んなタイプが出てきたじゃないですか。 今回の話の中では、その子達がやる音楽ってのは、どんなものにしようとした、っていうか

 

岩井監督

いや、もう単純に、こっちが書いたのは、その尻馬に乗った、っていうか。 どっちかっていうと、一番端っこの、はじめから消えていく位の運命のバンドと言うか。 その頃 僕もミュージックビデオとか結構撮ってて、そういうバンドも沢山見たんで。 撮りながら 気の毒だな、絶対残んない これ、っていうような。 本人たちは もぉ、スターになる!って思って田舎から出てきてるんだけど。 あまりにも量も多かったし、バンドの数が。

結構厳しいな、これ、っていう。

 

三上さん

そういうところのほうが、ドラマが生まれやすいのかな? でも、ドラマを生もうとして書いてるわけじゃないでしょ?

 

岩井監督

まぁ、なんだろな? どっちかっていうと性格が意地悪なのか(三上さん、爆笑)、あんまり立派な人を描くよりは 崩れ落ちていくヤツを描きたい、っていうか。

 

三上さん

悪意に満ち満ちた人たちがいて。 ラース・フォン・トリアーとかって、どうしてここまで苛めるかな?ってくらい、意地悪な人、いっぱいいるもんね。


(中略:お知らせ)円都通信。(中略) そして、岩井俊二と三上博史の新春対談 第3話をお送りします!
楽しめてます? ついて・・・こ・これてん・・・かな? 怒ってません? お楽しみに!!!

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