ラジオ『円都通信』 岩井俊二監督との新春対談 (JFN系列)
・1月08日(日) 午前4時〜4時半
・1月15日(日) 午前4時〜4時半
・1月22日(日) 午前4時〜4時半 ・・・録音失敗しました。 BBSに詳細レポしてくださっていますので、ご覧下さい。
・1月29日(日) 午前4時〜4時半
・2月05日(日) 午前4時〜4時半
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・1月15日(日) 午前4時〜4時半 |
円都通信 第94回。(中略) そして、岩井俊二と三上博史の新春対談 第2話をお送りします。
(中略:ドラマ)
映画監督・岩井俊二と、俳優・三上博史が 今、そして今後を語る 新春対談第2話。 どんな話が飛び出すのかぁ〜!?
BGM:あいのうた(YEN TOWN
BAND)
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岩井監督
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時代の感覚が なんか、我々が子供の頃と全く違う10年って言うか
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三上さん
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うん。
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岩井監督
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10年なのか20年なのか
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三上さん
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あぁ〜、そうですね。
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岩井監督
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どっからか、時代が止まったな、みたいな感じが凄いしてて。 あまり物が古くなんない、っていうか。
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三上さん
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それでいて、detailがものすごく変わってたりとかして
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岩井監督
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たとえば、携帯とかコンピュータ的なものは凄く変わるんだけど。 いわゆる ”時代”って言うものが たぶん今、ないんじゃないのかな?っていう。 ”時代”って言葉はあるけど、我々が体感した時代っていうものがなくなったな、っていう印象が
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三上さん
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すごく分かりやすく変わった、というか、年表書けるような感じですよね
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岩井監督
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ほとんど長続きしない、っていう。 長続きしなくて当たり前、というか。
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三上さん
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むりやり消費させているような感じ、ありましたよね。 歳末大売出しでね。
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岩井監督
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そのペースで言うとね、俳優から歌手にいたるまで、そんなに需要が長くなかったと言うか。 あっという間にね。 そこを行きぬいた人が逆に伝説化する、みたいな 結構激しさがあったのが、全体止まったな、っていう印象が凄く
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三上さん
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ドラマティックだった、ってことは、ドラマティックだったですよね。 今は、なんというか チョコチョコチョコチョコ 俺みたいに生きていけるからね〜(笑)。 生けていけてんのかな? よくわかんないけど。 まぁ、好きな事やって。 可もなく不可もなく、っていう感じですね。 うん〜。
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岩井監督
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そう思うと、我々いぃ時代に
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三上さん
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そうですね
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岩井監督
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来れたって言うか
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三上さん
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そうなんですよね。 この間も ふと山口百恵さんの事考えてて。 ほんとに活動してたのって、何年・・・でしかないじゃないですか。 5年とか。 わかんないけど。 そこまでのドラマティックな山を作ってしまうっていうのは、すごいことだな、と
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岩井監督
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山口百恵って、その時代で言うと、一番うまい具合に幕引きした人だと思うんですよ。 たぶん、トップじゃなかったですよね、あの時代。 トップを独走しているタイプじゃなくて。 ランキングとかでも1位になったことあったかな?くらいの人ですよね。 3位か4位くらいどまりの。 それを考えると、そこまで伝説化するのも不思議な感じがしつつ。
たぶん、去り際が丁度、まだあの時代だから、あと2・3年いたら消滅したのかもしれないけれど いぃところで すっと抜けた感じになってて、伝説化したんだろうな、っていう。 あの大量消費の時代でしょ? 高度成長からオイルショックみたいな流れで。 どんどん前に進む事に喜びがあって。 どんどんゴミにして捨てていっちゃう、みたいな。 そういう時代に生まれ育ってしまっていると言うか。
今のほうが逆に言うとエコロジーな環境に優しい、というか。
我々のような職業にも ちょっと優しい(笑)。 皆さんのお蔭で なんとかボーっとしてても、しばらくいるぞ、というみたいな感じの(笑)。
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三上さん
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しばらくいるぞ、みたいな(笑)
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岩井監督
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むかし、ほんと、そうじゃなかった。 ピンクレディーとか、一日2時間しか寝ないと言う状況で働き続けないといけないって言うか。
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三上さん
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表に出る役者やってても半年とか平気で休んでるしね。 こんなんでいいのかな?と思うよね。 こうやって ズルズルやらせてもらえちゃうんだからな。
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岩井監督
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安定した時期に入ったのかな、というか。 音楽とかで言うと、自分の中では90年代の最初のほうに ”ネオアコ”っていう ささやかな流れがあって。 その直前が80年代半ばくらいからヒップホップが出てきたり、その頃、クラブ系のやつが出てきたりしているうちに 最期はチョロっと ネオアコ出てきたあたりで、ほぼラインナップが出揃って、気がついたら、そのあとって、ほとんど たぶん新しいのがない、っていうか。
新しいのがないのが、15年くらいきちゃっている、っていうか。 たぶん、あそこで一回終わったのかな、って気がしますね。 そのあとの音楽って、どの時代聴いててもほとんど一緒で。
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三上さん
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引っ張り出してきたりとかね。 焼きなおしてみたりとかね。
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岩井監督
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その直前までは シンセサイザー系が どんどんどんどん出てきて。 DX-7とか、シンセサイザーが出て来たりとかして。 やたらリバーブ効かせたサウンドになっていって、それも耳に新しかったりしたのが、それも落ち着いてきて、みたいになって。 そうすると、そっから先、特にその焼き直しと言うか、音的に耳新しいのがなくなってきたせいなのか
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三上さん
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サウンドよりも まぁ でもなぁ、内面ってモノでもないしねぇ う〜〜〜ん。
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岩井監督
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なんていうのか、コピーくさい感じがする、逆に。 意外とその90年代初頭のバンドブームとか言われていたころ、そういう映画「バンテージ」という、去年、本、書いたんですけど。
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三上さん
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設定は90年代前半?
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岩井監督
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もろバンドブーム。 1990年代、という設定で。 時代的にはその前後がバンドブームと言われていて。 イカテンとかあった時代で。 流れでその頃のCD聴いたりとか結構したんですけど、その頃が一番 音楽的にも詩の世界とかでも ものすごいバリエーションがあって、こんな詩だったよな、そういえば、っていう、非常に面白かったですね。 今、ほんとに普通に腫れた惚れたくらいのところに ちょっと毛が生えたくらいの感じだけど。
かなり分けのわかんない世界から、色々あったでしょ?
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三上さん
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これやっちゃってるから、こっちね〜、とか、どんどんどんどん隙間探しまくって、色んなバリエーションが出てたんでしょうね? きっとね。
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岩井監督
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凄い面白い時代だったんだろうな、っていうか
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三上さん
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それだけ色んなタイプが出てきたじゃないですか。 今回の話の中では、その子達がやる音楽ってのは、どんなものにしようとした、っていうか
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岩井監督
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いや、もう単純に、こっちが書いたのは、その尻馬に乗った、っていうか。 どっちかっていうと、一番端っこの、はじめから消えていく位の運命のバンドと言うか。 その頃 僕もミュージックビデオとか結構撮ってて、そういうバンドも沢山見たんで。 撮りながら 気の毒だな、絶対残んない これ、っていうような。 本人たちは もぉ、スターになる!って思って田舎から出てきてるんだけど。 あまりにも量も多かったし、バンドの数が。
結構厳しいな、これ、っていう。
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三上さん
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そういうところのほうが、ドラマが生まれやすいのかな? でも、ドラマを生もうとして書いてるわけじゃないでしょ?
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岩井監督
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まぁ、なんだろな? どっちかっていうと性格が意地悪なのか(三上さん、爆笑)、あんまり立派な人を描くよりは 崩れ落ちていくヤツを描きたい、っていうか。
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三上さん
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悪意に満ち満ちた人たちがいて。 ラース・フォン・トリアーとかって、どうしてここまで苛めるかな?ってくらい、意地悪な人、いっぱいいるもんね。
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(中略:お知らせ)円都通信。(中略) そして、岩井俊二と三上博史の新春対談 第3話をお送りします!
楽しめてます? ついて・・・こ・これてん・・・かな? 怒ってません? お楽しみに!!!
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