【舞台レポ】 |
※上演当時DVD発売されると思っていなかったので、”忘れないうちに・・”と、パンフレット片手に記憶にあることをすべて認めたものです。 なので、”レポ”というよりは、”舞台中継”状態になっています。 ご了承くださいませ。
劇場に入ったときから舞台は始まっていました。
こころが癒されるような音楽が流れる中、シースルーの幕の奥から、大きな歯車を担いだ役者さんが「あんた誰!?」と、時折問いかけます。
開演と共に暗転し、かっこいい音楽が大音響で流れます。 真っ暗な中、マッチがついては、あっと言う間に消され、その一瞬の明かりの中で、役者さんたちが踊っていらっしゃるのが、かいま見えます。 とってもかっこ良かったです。 わくわく感は高まるばかり。。。あっ、舞台後方、ずらーっと並んだ妻たちの姿が。。
明かりのある時だけ、一瞬見えます。 赤いドレスの第2の妻のなんとも妖艶で凄みのある笑顔。 くらくらして気絶しそうでした。
また暗転し、再び明かりがついた時。。
「青ひげ公の城」の舞台準備に忙しいシーンに変っていました。 さっき見たのは何? まぼろし?
さっきのシーンとのあまりのギャップに別の意味で気絶しそうでしたが、第7の妻を演じる杏ちゃんの、客席からの登場で正気に返りました。 舞台監督役の根本さんが杏ちゃんに問いかけます「あんた、誰?(ここに繋がるのか、と妙に関心しました)」 杏ちゃんが答えます「誰でもありません、まだ。 これからなるんです、7人目の妻に」。
で、監督さんは、ようやくキャストが決まった、と喜び、杏ちゃんに楽屋で待っているように、と伝えます。
この辺りで、様子を覗きに来たのか、仮面を手にした第2の妻の姿が舞台の端に。。(きゃ〜〜〜♪) ドレスのすそ捌きが、超一流でした、三上さん! 仕事柄、モデルの方のドレス姿をたくさん見てきましたけど、なかなかあんなに綺麗には動けませんし、ドレス自体もあんなに綺麗に見せることは出来ません。 このシーンだけで、三上さんって、すごい!と、感心してしまいました。
この時三上さん、、おっと、第2の妻は、無言で去って行きます。
杏ちゃんが、”楽屋”で待っていると、いきなり舞台の底から、男優さん(河原さん)が飛び出し、セリフを話し始めます。 ”ん!?”と思っていると、舞台に組まれたセットの上から、第5の妻(秋山さん)がセリフを。 ベールを纏った薄気味悪い花売りがゆっくりと歩いています「花〜、お葬式の花〜、ご供養の花〜」 ”んんん・・!?”と目を点にしているうちに、どんどん河原さん・秋山さんの掛け合いが始まります。
”なんか分からないけど、上手だな〜”と、感心し始めた頃、”はい、今日はここまでにしようか!”と男優さん。 ”へっ!?” そう。 お二人は、お芝居のお稽古をされていたのでした。 舞台上の杏ちゃんもほっとされていましたが、私も心底ほっとしました(笑)。 杏ちゃんは、男優さんに尋ねます「あなたが、青ひげですか?」。 違う、ってお返事でした。
第1の妻(荻野目さん)のシーンに変ります。 第1の妻は入浴中。 ご主人のニンジンさん相手にセリフの練習をしています。 「あなたは私の大切なお骨を撒き散らしてしまった。 あ〜なたは私のた〜いせつなお骨を撒き散らしてしまった。」 殺されるシーンをとっても楽しみにしている様子。 荻野目さん、とっても可愛かったですし、ニンジンさん、とっても楽しかったです♪ (これで説明を終わらせる私って・・苦笑)
杏ちゃんが舞台に現れます。 「聞こえるわ、ため息が・・・あぁ、あれは城のため息なんだわ。」 すると、舞台に組まれたセットの上から、甘く誘うような妖しい声が。 「ユディット」。 聞こえてくるのは、シースルーの幕の向こうからでした。 そこには、仮面を手にした第2の妻の姿。 うっとり聞いていたら、幕が上がってゆき、、、声が! 「・・主役の座を独り占めにしようというのだねっ、ユディット!」 怒りに満ちた声に豹変。 心底ビビりました。
そのまま妻は階段を下りてきて、、、待っていました! 第2の妻のシーン。 かっこいぃんだ〜、とっても。
付き人コプラももちろん一緒に登場(^^v 杏ちゃんとの3人のシーンです。
青ひげの舞台は、妻が順番に死んでいかないことには、次の妻の出番はない。 第1の妻は、死ぬこと確定だから良いけれど、みかちゃん演じる第2の妻は、死ぬ気なんて、全然ありません。 なので、7番目の妻の杏ちゃんの出番は、一体いつのことやら、、状態です。 それを杏ちゃんは、このシーンで思いっきり知らされることになります。
練習風景がTVで公開されていたのがこのシーン。(冒頭のマッチのシーンもありましたが)
第2の妻とコプラが杏ちゃんを思いっきりいたぶります。 妻「あら?震えているの?」 杏ちゃん「地震だと思います」 妻「ま〜〜ぁ!知らなかったわ、独り分の地震があるなんて! どれ、ちょっと顔を見せて頂戴」 コプラに命じます「鑑賞して!」 コプラ「ブスですわ」 妻、大喜び。 コプラ「ミス・キャストです」 第2の妻にぞっこんのコプラは、続けて、杏ちゃんに多くの色んな言葉を並べます。 「表情は私たちのお古。 心はポリエチレンのごみバケツ・・・」。 妻、椅子の上に、ピョ〜ンと飛び乗り大はしゃぎ。
第2の妻「私侮辱するのって、大好きなの。 ほら、ユディット。ほら!」 コプラが「旗の立たないお子様ランチ!」と、杏ちゃんを突き飛ばし、第2の妻が踏んづけます(新聞に掲載された写真)。 「痛いでしょ? 美しい薔薇にはとげがあるのよ」
第2の妻に踏んづけられたままの杏ちゃんにコプラは、”こだま”のように辱める言葉を繰り返します。
「印刷ずれ、印刷ずれ、印刷ずれ・・・ おへちゃ、おへちゃ、おへちゃ・・・ ゴマメの歯ぎしり、ゴマメの歯ぎしり、ゴマメの歯ぎしり・・・」 それを聞きながら、第2の妻、椅子の上で、キャッキャッと、はしゃいでます(嬉)。 コプラ「まだ続けるんですか?」 妻「次に取っておきましょう」 妻、杏ちゃんを解放します。
第2の妻、椅子から立ち上がり、舞台中央前にセットされているキセルを取り上げ、火をつけ、煙を吐きながら、ゾクッとするくらい妖艶な表情で言います 「そう!第2の妻は不死身なの」 「お分かりになったら何かおっしゃって?ご挨拶代わりに」。
第2の妻とコプラにいたぶられながら、杏ちゃんは、何かを察知します。 第2の妻は、タダの妻ではない。。。うん確かに。(−−;
第3の妻(浅井さん)のシーンに変ります。 歌声がとっても素敵。 ”おうたの練習”を受けている、アリスとテレス(FlipFrapさん)も、とっても可愛い♪ そうそう、フリフラのお二人は、コミカルなシーンや歌のシーン、マジック等々登場シーンも多く、とても可愛く上手でした。 根本さん(舞台監督)には、”児童劇”と呼ばれていました。
ところで、私、この時の歌、どうにもこうにも、パタリロを思い出してしまって。 脳裏に浮かぶ薔薇の花を背負ったパタリロや、たまねぎ軍団の映像を消し去るのに大変でした(笑)。 ♪だ〜れが殺したクックロビン・・・(あ、ほれっ)♪ 浅井さん、上手だったのに。。パタリロ音頭を最後まで心の中で歌ってしまった私。 ひとり勝手に盛り上がる間に、浅井さんの歌は終わってしまいました。 ほんと、ごめんなさい。m(__)m
フリフラのお二人は、根本さんから追い払われます(児童劇なので)。 第5の妻は、子供を生んでいます。 妻は言います「女は子供を生んだ時に死ぬ。 だから、親思いのこの子は死んで生まれてきた」と。 そして子供に話しかけます「大きくなって、他の妻たちに子供を生ませておくれ(そうすることで他の妻たちを殺したいらしい)」と。
肝心の、その大切な子供は、実はセルロイドのお人形。 人に踏んづけられても、「いいの、スペアがあるから」と明るく言える。 狂ってしまってました。 気の毒に。(−−;
衣裳係さん(蘭さん)が、大切な青ひげの衣裳を架けた洋服架けを押しながら登場します。
この衣装係さんは、洋服にしか話しかけないと言う、かなり変った人。 でも、それにはわけがありました。 衣装係さんのお母様は同じ劇場の衣装係をしていたけど、その劇場の役者さんにだまされて、死んでしまった。 その役者さんがジャンヌダルクを演じた時に着ていた衣裳を身にまとって。。 その役者・・お父さんに復讐をしようとしているのです。
この衣装係さん、大切な青ひげの衣裳は、誰にも袖を通せないように作っています。
男優は主役の衣裳を身につけたいと願い、女優は、その衣裳を着た主役に舞台上で骨が折れるまで抱きしめられたいと願う、、それが最高の見せ場だから。。「絶対そんなこと、させないもん!」と言うことです。
みんなの羨望のまなざしを浴びながら、誰も着ることの出来ない、青ひげの衣裳をみんなが見えるところを引いて歩く。 そして心の中で思う「誰もお前(衣裳)を着ることは出来ない!」。 それが衣装係さんの最高の楽しみ。(^^;
掃除人(渡邊さん)や男優さんが衣裳を着ようと試みますが、、。 男優さんは、衣裳のデザイン等にかなりの疑問を持ちながらも(「まるでハムだ!」・笑)、無理やり着て、青ひげになりきり、第4の妻(三咲さん)を呼び出すセリフを言います。
「夜泳いじゃいけないって、あんなに言ったじゃないか!」 第4の妻は、既に首を絞めて殺されてるようです。
舞台後方、鏡のようになっていたところが、透けたスクリーンに変ってて、そこから第4の妻が水の中(もちイメージ)から登場します。
さすが元宝塚っ。 ダンスがかっこよすぎです。
第4の妻は、めちゃかっこいい踊りで、青ひげの衣裳を脱いだ男優さんを誘惑し、プールの底(さっきの舞台後方)に沈めてしまいます。 その後、青ひげの衣裳を奪い合う屈強な男性たちをダンスで誘惑し、蹴飛ばし、暴れまわって(笑)、全員を伴ってプールの底へと帰ってゆきます。 いや〜〜、パワフルでした。
ここで、あまりにも、第1の妻の扱いが簡単だった、と反省し、好きなセリフを書きます(汗)。
「死ぬ人も、残る人も、、いざともに、春の花をば摘まんかな!」 なんか、とっても好きでした、このセリフ。
杏ちゃん、舞台のセットに腰掛けて、しょげてます。 根本さんが「第2の妻に、いじめられたんだって?」と声をかけます。
杏ちゃん、気がかりなことがありました。 実は、この劇場にやってきたのは、第7の妻を演じる為だけじゃなくて、この劇場の照明係をしているはずの、大好きなお兄さん(音信不通)を探しに来たのです。 根本さんに尋ねますが、とぼけられてしまいます。
杏ちゃん、お兄さんと一緒に暮らしてた頃に、二人でよく練習してたセリフを語ります「話してくれ、雨のように・・」
ここで舞台の端に第2の妻、登場! 杏ちゃんが青ひげやお兄さんの話をすると、必ず登場して杏ちゃんを見つめている、第2の妻。
そのときの表情は、コプラの前で杏ちゃんをいじめていた時の表情とは全く違います。 怯えるような泣き出しそうな(と私には見えました)、とても切ない表情です。
杏ちゃんと根本さんが、その劇のセリフを言い合ってます。 じっと見つめる、第2の妻。 二人のセリフのやり取りに合わせて、第2の妻の口が開きます「雨のように・・・」。
その後、第2の妻は、二人に気づかれることなく、耐え難いような切ない気持ちを全身から漂わせながら、舞台上を去ってゆきます。
・・第2の妻は、タダの妻ではないようです。
第5の妻(秋山さん)が男優さんや?さん(あの方はだぁれ?)と舞台のお稽古をしています。 いきなり、ジャンヌダルクの話で、”へっ!?”と面食らいますが、前回同様、”上手だな〜〜”と。(^^;
そしたら、客席からある方が舞台上へ。 ”上がって行っちゃったよ〜、いぃんかな?”と思ってたら、やっぱり舞台上で聞かれていました(笑)。 「あんた、誰?」
彼いわく「高島屋の集金人」さんだそうで(笑)。 いきなり、どうしたん?と、笑っちゃいました。
なんでも、第5の妻の支払いが滞っているそうで。。(^^ゞ 第5の妻は、セリフを言い始めます、高島屋の集金人さんを巻き込んで。 あまりの名演技に、うっかり巻き込まれそうになる集金人さん。 だけども、ずっとそれで騙されてきたらしくて、今回は自分を取り戻します。
そこへ第1の妻とニンジンさんと女性たちがやってきます。 第5の妻は第1の妻のファンデーションを使っちゃった、とか。 女性たちのお弁当まで食べちゃった、とか。 とにかく、手癖が悪いそうで。(−−
集金人さんも言います「着るものから、しゃべることまで、全部他人! 一体全体、自分自身ってものはどこにあるんだ!」
それを聞いた第5の妻、激怒します「あたし、この無神経な人たちには我慢が出来ないの。 大切な台本を人生で汚してしまうような人たち」「この人たちは、すぐに楽屋を見せたがる。 ・・ありのままの姿・・何一つ演じることが出来ない人たち!」。
演技に生きる彼女にとって、私生活を持ち込まれるなんて、信じられないし許せないこと。
怒りながら電話します。 かける相手は・・? なんだか、すごい相手にかけてるみたいです。 私が「この人、すごいパパがついてるんだな〜」と感心してたら(笑)、舞台上のみんなも、”へぇ〜”という表情をしています(笑)。
ところが、杏ちゃんが見つけてしまいました。 第5の妻がかけている電話の線は・・どこにも繋がっていない。 「これがこの人の自分自身なんだわ!」 杏ちゃんは叫びます。
アリスとテレスが、根本さんにお芝居のお稽古をしてもらっています。 セロリを一本ずつ持って、色んな練習してました(笑)。 「セロリを食べると、血がキレイになって、さらさらになって、血が透明になって、透明人間になります。(適当)
透明人間!? どの方? あの方よ♪ 見えないわ。 ばっかねぇ、だって、透明人間なんですも〜ん♪ヽ(^。^)ノ 哲学の時代は終わったの〜〜。」
そして、アリスとテレスに「あれっ、向こうから来るのは? 死んだ青ひげ公の妻と、そのお相手のコプラっ。 三角ビキニの肩幅変態っ。 消えたかな?
まだまだよ。 ぴゅ〜〜。ε=ε=ε=(/^^)/(/^^)/」 と紹介されて登場!第2の妻と付き人コプラっ。
舞台のセットは、両端に階段があって、その間を上空渡り廊下みたいなので繋がっています。 う〜〜ん、観客は ”吹き抜け”の中央にいる、って感じでしょうか。(^^ゞ その左の階段を上がりながら(上がりきってからの時もありました)、第2の妻が、”どこ行くの〜?”な ”クラシックロック”を歌います。 ♪7つの扉を開け〜 7人の妻が・・♪ 渡り廊下?を歩ききって、右の階段を降りてこられます。
めちゃ、かっこいぃ!!(*^。^*)
だけども、階段、超怖かったです、見てるだけで。 なんせ、かなりの段差の手すりもない階段を、10cmのハイヒールで、そっくり返りながら、足元も見ずに足早に降りるんですよ〜。 観てるほうが気絶しそうでした。 それに、千秋楽は、”足早に”どころじゃなかったです。 三上さん、”駆け下りて”いらっしゃいました。 なんつぅ怖いことを。。 あぁ、よくぞご無事で。(>_<)
ソファーに腰掛け、コプラに足を洗ってもらっている第2の妻。。。のはずが、、、自分の足を洗って気持ちよさげな声を出すコプラ。(−−; プチ切れた第2の妻に引っぱたかれて「普通に痛い」と名言?をはきます。(−−;;
その後はちゃんと足を洗ってあげてたんだけど。。コプラ、お茶目。(−−;
第2の妻は、杏ちゃんが何かを感づいたと気にします。 「私たちのことをですか?(どきどきlove〜♪)」とコプラ。 「いぃえ〜!」と、あっけなく却下する第2の妻。
第2の妻は、劇場の照明係、藤岡ジョージ(杏ちゃんのお兄さん)のことを話し出します。 ジョージのことを知らないコプラは、やきもちを焼いて「むらむら嫉妬! でもぐっとこらえる」と、独り耐えます。 照明係のジョージは、第2の妻をスポットで追い続けるうちに、妻のとりこになったのです。 「だれも天から降る雪を止めることはできないわ」 そう、動き出した気持ちを止めることなんて出来ません。
第2の妻は、ジョージの最期の話しをします。 ジョージは死にました。私の剣で胸をつかれて死にました。「一思いに突き刺してやった!」「これは劇ですね」 「劇だと言ってやればよかった」 コプラ、ビビリはじめます。 妻は続けます。「私の台本の裏側に鍋釜を持ち込んできたがった。大切な台本を人生で汚そうとしたんです。」
第2の妻の震え上がるような冷酷な声。 怯えるような、すがるような、ジョージの声。。三上さん、さすがでした。
ジョージを刺した話をしながら、手を血で染める第2の妻。 怯えるコプラに「絵の具ですよ」と答える第2の妻。 ”足を洗うバケツの水を変えるため”を理由に、その場から急いで立ち去ろうとするコプラに「足を洗うのはまだ早い!」と言う第2の妻。
この、”足を洗う”って、私、”役者稼業をやめる”って事かな?と思ったんですけど。
第2の妻「猫だ〜 猫が奈落へ飛び下りたらそれが最後。 どこへも出られないように、ふたをされて、100年のあいだ陽の目も見られぬミイラになるんだ」 「過ぎてゆくのはみな嘘で、まだ来ぬものは美しすぎる!」
そうこうしているうちに、舞台の後方が騒がしくなってきます。 ベットの上に乗った、お人形の第6の妻(沙智さん)と人形使いの親方コッペリウス(井内さん)が前方へ出てこられます。 第2の妻、思いっきりそっくり返って、親方に怒ってます。<`ヘ´>
第2の妻、そのまま退場。
第6の妻は、とびきり綺麗な人形でした。 このお人形、親方の思い通りには動かないようです。 親方が昼寝?をしているうちに、第6の妻は勝手に動き始めます。 さすがは、パリコレモデルさん! 舞台の端から端まで歩いて、ポーズをとられますが、ほんとに綺麗で、見とれてしまいました。
杏ちゃん、かなり焦りだしています。
初めは、劇場に到着しただけで喜んでいた女の子だったのに、この時には「この第6の妻が死なないと、私の出番は永久にない!」と思いつめています。 そして叫びます「この人を殺して!」。
第6の妻、殺されかけます、、色んな凶器で、、が、死にません。 途中登場の魔術師(Shinさん)と、ダンスを踊ります。 綺麗でした。 最期は、フリフラのお二人をアシスタントに、魔術師さんが手品で第6の妻を消し去ります。(この種明かし、分かるような気がするけど、結局分かりませんでした・−−;)
・・魔術師さん、今までにも数回登場されて、マジック披露されていましたが、全然紹介してなかった(汗)。 すみません。m(__)m
杏ちゃんは、まだ出番がありません。 時折、舞台のあちこちに登場する第8の妻(江本さん)も、杏ちゃんが死なないと出番がありません。 杏ちゃん、第8の妻に「早く死んでください」といわれたりしています。
青ひげの舞台をするために、大道具さんたちが忙しそうにしています。 大道具さんたちが色んなセリフを言っています。 困惑する杏ちゃん。
そこへ、杏ちゃんの兄と名乗る人が登場します。 その人が言うには、杏ちゃんは家出中で、お父さんが心配して警察に捜索願いを出そうとしてたんだけど、杏ちゃんを雑誌で見て(新聞掲載後は「三上博史に踏んづけられてるの、お前だろ?」って風になってました)、この劇場にやってきた、と。
担任の先生も心配してるし、ネコのミーチャの世話もしてくれないと、困るし(杏ちゃん、どうやら世話係らしいです)。。って話でした。 杏ちゃん、超迷惑顔です。
ふいに照明が消え、 舞台セットの右上から、仮面を手にした第2の妻(青ひげ)が誘いかけます。 舞台が始まってすぐの青ひげ(第2の妻)の声とは少し違って、”なんか、裏がある?”と疑わしく思ってしまうような誘いの声色です(三上さん、すごい!)。 「お祈りしながら私の傍まで上がっておいで!」
疑問を抱きつつも花嫁衣裳を手にし、青ひげのほうへ歩み始める第7の妻。 それを止める衣裳係。 衣裳係は言います 「行ってはいけない、私の花嫁衣裳。 その男は私の大切な衣裳を血で染める。 藤岡ジョージの時のように衣裳を血で汚したくない。 お前はまだ未完成だ。 私はまだお前に、”愛”というリボンを結んじゃいなのだ(かなり大雑把)」
衣装係の言葉に立ち止まる第7の妻。 自分のほうへ向かわせようとする第2の妻。 阻止しようとする衣装係。 緊迫したシーンでした。 「死を生きているのです。 なんて世俗的な裏方の台詞でしょう。 耳が腐るわ!」
第2の妻の名セリフがここで語られます。
「(杏ちゃんのお兄さんは)死を生きることが出来なかった。。。死人に役者はつとまらない。 いい死体の役者は、百ぺん死ねる役者のことだ」 「ごらん!何もかもだまし絵だから美しい。。。そう、あたしの心はあなたの造花」 「舞台にほんとのお月さまの光が差し込んできたら、風邪を引いてしまうわ」 「第2の妻はあたしの仮面。。。仮面の下には、、、そして外しても外しても、外しても外しても、外れない最後の仮面は・・・人殺しの仮面です!」
このセリフを言う時の第2の妻が切なくて、切なくて。 自分を殺して舞台に生きると言うことなの?、、と、思ってしまいました。
舞台監督の根本さんが杏ちゃんに言います、「婚礼のシーンをするよ」。 杏ちゃん、小躍りするかと思いきや、なんか違うと思っているようです。 どうしても、お兄さんに関する真相を知りたいのです。 監督は言います 「兄さんは、劇の中で死んだんだよ」 杏ちゃん、ぶち切れます 「本当のことを言ってください。 兄は、どこへ行ってしまったのですか?」 芝居と現実。。。どこがほんとで、どこが芝居か。
根本さん叫びます 「さぁ、始まりだ! これが劇だ!」 明かりが落ちます。 その後、フラッシュみたいな光がパシパシ当たって、登場人物全員が舞台上で動く姿が垣間見られます。 第2の妻は、舞台セットの右上にいらっしゃいました(嬉)。 めちゃかっこよかった〜。(^^
杏ちゃんの 「おばけ、消えろ! 兄さん、灯りを消して!」 との絶叫で、第2の妻が右腕を突き上げ、灯りを消すしぐさをします(第2の妻しか観てなかったから、他の人もしてたかもしれない・汗)。 灯りが消え、杏ちゃん以外の登場人物が崩れ落ちていきます。 この時の三上さんの崩れ方、本当に綺麗でした。 そして、暗転。
舞台上には、ただ独り、杏ちゃんだけ。
かなり長いセリフを話されます。 「終わらない、何1つ終わらない。 ただ役柄が変わるだけ」 それぞれの妻を演じていた役者が、舞台が引けて今は、こういうことをしているかもしれない、、自分も舞台を変える(おうちに帰って、”自分”という役を演じる?) と。 最後のセリフ、好きでした 「みんな、月よりも、もっと遠い場所に行ってしまった。 月よりももっと遠い場所、、、それは、劇!」
根本さんが迎えに来て、二人、去ってゆきます。
舞台はこれで終わりです。 とても静かに終わっていくので、舞台の中に入り込んでしまって、私は ”劇が終わった”という感じがせず、初めの頃、”拍手をする”と言うのがとても不自然な感じがしました。
不思議なことに、拍手をしなかったことで観劇後、そっとそのまま家まで舞台の余韻を大切に持って帰ることができました。 こういう感覚って、初めてだったのですけど、とてもよいものでした。 拍手をしちゃうことで 「今までのはお芝居でした〜、はい、おわり、おわり」 ってなっちゃった気がします。 こういうところでも、作品を大切にされているのかな〜?と思いました。
でも、楽日は違いましたよ〜〜。
拍手、拍手。 灯りがかなり早いタイミングでついていましたが、だれも席を立たないし、拍手は鳴り止まない。 1度目のカーテンコールのあとも、誰一人立つ気配もなく、拍手、拍手。 鳴り止みません。
無事に終わって、よかった〜!の気持ちと、大成功おめでとうございます!の気持ちと、素晴らしい舞台を届け続けてくださった、皆様への今までの感謝を込めて。 いくら拍手しても足りませんでした。
だから、再び三上さんがひとり登場してくださった時は、嬉しくて、嬉しくて。 三上さん、とってもはずかしそうで、嬉しそうでした。 それまで、カーテンコールがあった時も絶対に「第2の妻」でい続けた三上さんが、この楽日での最後の最後のカーテンコールでは、間違いなく「三上博史」として立っていらっしゃいました。 本当に素敵でした。
素敵な舞台を有難うございました! ほんとに、ありがとう!! |