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【スタッフ・キャスト・ストーリー・記録・感想】 【舞台レポ】 【奥様とコプラの歌】 【青ひげカルトクイズ】 【青ひげつながり】 |
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【スタッフ】 【キャスト】 |
【スタッフ】 |
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2003.3.28
パルコ劇場前にて撮影 |
台本・詞:寺山修司、 |
演出・音楽:J.A.シーザー、 |
舞台美術:小竹信節、 |
照明:沢田祐二、 |
衣裳:ひびのこづえ、 |
宣伝美術:合田佐和子 |
主催:TBSラジオ、 |
企画・製作:パルコ/ポスターハリス・カンパニー、 |
製作:パルコ、 |
協力:人力飛行機舎、 |
演劇実験室万有引力、 |
テラヤマ・ワールド
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【キャスト】 |
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第2の妻=三上博史、 |
第1の妻=荻野目慶子、 |
第5の妻=秋山菜津子、 |
男優=河原雅彦、 |
プロンプターにんじん=佐藤誓、 |
付人 コプラ=横田栄司、 |
少女・第7の妻=藤岡杏、 |
第4の妻=三咲レア、 |
第3の妻=浅井美保、 |
第6の妻=沙智、 |
第8の妻=江本純子、 |
アリスとテレス=FLIP FLAP、 |
魔術師=Shin、 |
衣裳係=蘭妖子、 |
舞台監督=根本豊、 |
人形師コッペリウス=井内俊一、 |
演劇実験室万有引力のみなさま他 |
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【ストーリー】 |
ペローの童話やパルトークのオペラにもなった、中世フランスに伝わる、妻をめとっては次々に殺したという青ひげ伝説をモチーフにした作品。 ※↑「青ひげ公の城(2003年)」パンフレットを参考にさせていただきました。
オーディションで選ばれ、「青ひげ公の城」の舞台で第7の妻を演じることになった藤岡杏は、期待に胸を躍らせて劇場にやってくる。 すでに舞台監督たちは準備で忙しい。 挨拶後、舞台監督より「絶対他の女優たちの部屋を覗いてはいけない」と注意を受けるが、杏は「青ひげ役をする役者へ挨拶をしたい」と、舞台裏を歩き回り、他の女優たちの部屋をのぞき見る。 そこで杏が観たものは? また、舞台裏を覗き歩く杏の目的は「青ひげに挨拶がしたい」、、本当にただそれだけなのか?
現実と虚構が織り交ざる。 どれがほんとでどれが芝居か。 演じるということ、それは?
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【記録】 |
・オーディション記事掲載(2002.11.11) 〜オーディション募集配役〜
※当時のPARCO劇場HPの記事を基に作成しています |
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第7の妻(演劇と言う迷宮をさまよう美少女) |
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第3の妻:オペラ歌手風 ※豊満で唄えること |
第4の妻:ダンサー ※大柄 |
第6の妻:モデル ※長身・人形のような容姿 |
第8の妻:若手女優 |
魔術師:美男 ※手先が器用なこと |
付き人コプラ:演技派大男 |
コッペリウス:中年以上の男性 |
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・キャスト発表記事掲載(2002.12.19) |
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当初、三上さんのみ発表でしたが、この日オーディション合格者の記事が掲載され、主要キャストが決定しました。 |
・公演 |
:2003年3月28日〜4月17日 パルコ劇場にて |
・シナリオ本 |
:「青ひげ公の城」寺山修司/新書館(1981.11出版) |
・DVD |
:あり(パルコ劇場) |
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【感想】 |
(長い部分は伏字にしていますので、ご覧下さる方はドラッグして反転させてください)
ファンタスティック♪な宝石箱のような舞台でした。 舞台美術も衣裳も照明も音楽も役者さんたちも全てが美しく、さまざまな彩りにあふれていました。 セリフは、大切に全部覚えておきたいと思う言葉ばかり。 きらきら輝いていました。
初日・2日目・5日目・楽日の計4回観せて頂きました。 どの時もいつも、三上さんの演技はまったく緩むということが無く、本当に素晴らしかったです。(*^。^*)
舞台では、「演じる」ということ、「女優」ということについて、それぞれの妻が色んな形を見せてくれたように思います。(以下、しばらく伏字です)
第1の妻は、夫をプロンプターにし、高いギャラを得るため独身で通していました。 また、気に入った衣裳を身にまとい、美しいコーラスが流れる中で殺されるシーンを何度も演じられることを喜びとしていました。 夫以外の情事の相手もいましたが、死体でした。 ・・この情事は終わった、ということかな?
第2の妻は、たぶん杏ちゃんのお兄さんだろうと思いますが、自らの過去をその手で葬り、生活のにおいのするものを排し、役者として舞台で生きる道を選んだように思われます。 徹底したプロ意識。 泣けてくるくらいに厳しく激しい生き方です。
他の妻たちは、舞台を降りれば息つく間を持てそうですが、第2の妻は、、気を休められる時があるのでしょうか。 最後のセリフ、「外しても、外しても外れない仮面は、、、人殺しの仮面です!」。 慟哭しているように思いました。 この生き方を選んだこと、後悔しているのでしょうか? 初めは私、後悔していないと思っていたのですが、それだともっと勝ち誇ったようになる?と思い、考え直しました。
自ら選んだ道だけれど、これでは幸せとはいえない。。。 そこまでして彼を演劇へと引き付けるものは一体何なのでしょう。 そして第2の妻はこれからどんな方へ向かっていくのでしょう。
第3の妻は、女であり続けることにこだわり、精神に異常をきたしています。 歌声で想いを伝えます。 ほんとに、セリフを話されているときよりも歌を歌われている時のほうが感情が伝わってきました。
第4の妻は、セリフが一切なく(既に死んでいるため?)、男優たちを官能的なダンスで魅惑し水底へと引きずり込みます。 言葉がなくとも激しい想いが伝わります。
第5の妻は、自分の言葉を持たず、セリフと歌がほとんど。 高島屋の集金人さんが言うように「着るものから、しゃべることまで、全部他人。 一体全体、自分自身ってものはどこにあるんだ!」です。 でも、役者さんというのは、”役になる”のが仕事とか。 自分自身を出し、素のまんまだったら素人とか。 ”役”になっているときと、”素”のとき。 切り替えるのはとても難しそうです。 でも、、、確信犯なのかな? 第5の妻の場合は(笑)。
第6の妻は、人形です。 美しく、製作者にとって理想の外観を持っています。 ですが自分の意志で動き始めた時、命を落とさねばならなくなってしまいました。 素人の私からしたら、すごい暗示がある気がしたりして(考えすぎ?)。
第7の妻は、杏ちゃん。 彼女も女優ですが、ひとり現実世界と繋がっています。 舞台と私たちの中間にいる感じ。 女優としてだけでなく、お兄さんのことや演じるということ、他の女優の事。 色々思いを巡らし、客席にどっかり座っている観客を舞台世界に引き寄せます。
第8の妻は、ひたすら出番を待ち続けます。 自分の出演機会が来るまで、待って、待って、待って。。。 その日が来るかどうかも分からないけれど。。。
さまざまな女優の顔。 感情の表現方法。
妻たちだけでなく、好奇心イッパイ・児童劇のアリスとテレスや、華麗なマジックで観客を魅了するマジシャン、衣裳へ溢れんばかりの愛情を注ぐ衣装係さん、男優さん、舞台監督、お掃除の人、多くの役者さん。 そして客席から日替わり参加されていた観客役の方。
さまざまな役者の顔、スタッフの思い。 この作品の感想を書き終え、少し時間を置くと、また新たな発見があり、何度も何度も書き直しました。 本当に深くて、本当に堪能しました。 また時間を置くと、新たな感想が生まれてきそうです。
開場の時から問われていたこと。 「あんた、誰?」
杏ちゃんが劇場に着いたときも、高島屋の集金人さんがやってきたときも、同じセリフが投げかけられました。
観劇後、自分に問いかけてみました、「あんた、誰?」
この舞台を観るまでだったら、その問いに対するこたえは、おそらく単に自己紹介で終わっていたでしょう。 でも今は。 この舞台に出会えて、1つ殻を破って大きくなれた気がします。 出会えてよかった。
ミーハー的感想を交えた、とても長い舞台レポも書いていますので、およろしければご覧下さい。m(__)m
最後にどうしても付け加えておきたいことが。
2003年・2004年、『奴婢訓』に主演された、旺なつきさん。 『青ひげ公の城』が上演されている頃、『奴婢訓』出演が決まっていたようです。 シーザーさんにはじめてお会いするということで観劇されたようですが、”舞台をみてあんなに嗚咽をして泣いたのは初めてかもしれない” とお話でした(『奴婢訓』パンフレットより)。 一流の役者さんがご覧になって、そこまで胸に迫るものがある舞台だったんですね。 |
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