舞台 魔術音楽劇 「青ひげ公の城」 〜パルコ劇場30周年記念  寺山修司没後20周年記念〜  

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【青ひげつながり】  ※三上さんが出演されていない寺山作品や、「青ひげ公の城」で共演された方の舞台を観に行った感想です。
奴婢訓 タイタス・アンドロニカス SHIROH


ロックミュージカル 『SHIROH』  劇団☆新感線
 2005年1月17日 梅田コマ劇場  作:中島かずき 演出:いのうえひでのり

観たい役者さんや気になる役者さんがこーんなに沢山出演される舞台、絶対行かなきゃ! 新感線の舞台、一度は観たいと思ってたしっ、と気合を入れて行ってきました。 観たい役者さんは、秋山菜津子さん・吉野圭吾さん。 気になる役者さんは、中川晃教さん・高田聖子さん。

とにかく、すばらしかったのは、秋山菜津子さん! 『青ひげ公の城』のとき三上さんが登場すると空気がガラッと変わったように、秋山さんが登場すると空気が入れ替わりました。 ものすごいパワーです、最強でした。 歌も演技も殺陣も素晴らしかった。 ふとした時に冷めた目で見てしまうシーンもありましたが、秋山さんの時ははまり込みました。 やっぱり上手です。 またこの方の舞台、観たいです。 三上さんと組んで欲しいな〜(めちゃくちゃ濃いだろうな〜)。

中川晃教さんもやっぱり上手でした。 ほんとに天使かと思いました。(中川さんだけでなくて、子供たち一同) あんなに透き通るような高い声の持ち主とは思っていなくて、初めて聴いたときは驚きましたが。 彼の歌い方は好きです。 聞き心地がいい、というと偉そうでしょうか? 役柄的にもそうだったんでしょうけれど、彼の声には希望の煌きがありました。 セリフも歌詞も情感込めてはっきりと聞き取れる。 当たり前のことかもしれないけど、あの大音響の中、私の耳に最初から最後まではっきりと歌詞やセリフが届いたのは、秋山さん・吉野さん・中川君・高田さん・大塚ちひろさん・高橋由美子さんだけでした。

話を中川君に戻します。(^^ゞ  私、失礼な位に知識を持たないで行ったので、”中川君は歌で表現するのが専門の人”と思ってたんです。 でもそれだけじゃなかった。 今後も要チェック!です。 あといくつも時を経て、”おっさん声(笑)”が混じってきた時も楽しみです。(^^  秋山さんと中川君がデュエットするところ、ほんとにすばらしくて。 観に行った値打ちありました〜。

吉野圭吾さんは、以前、他の役者さん目当てで行った舞台に出演されていて、”お!?”と思ったんですが。 この方、すっごく渋いんですよね、外見。 なのに超お笑いキャラなんですよね。 前回もそうでしたが、今回もほとんど同じようなキャラで妙に懐かしかったです(何度でも観たくなるんだな、これが・笑)。 手足がおそらく人一倍長いんじゃないかしら?と想像してるんですが、ダンスするとものすごくかっこ良く決まるんです。 演技してる時とダンスの時のギャップがたまりません(笑)。 今回もダンスあったけど。 もう少し長い間踊って欲しかったです〜〜。

そしてそして高田聖子さん。 とっても可愛かったです。 可愛くてかっこよくて。 何を着ても似合ってて。 素敵〜♪ 秋山さんと伊賀の くノ一姉妹役でしたが(高田さんが妹)、ぴったりでした。 姉妹の絡みが良かったです。 幼い頃から仲良しで助け合ってきた姉妹、って歴史が感じられました。 深いですね〜。

他に、”お!?”と思った(笑)役者さんは、大塚ちひろさんと高橋由美子さんと橋本じゅんさんでした。 新感線の役者さんがどの方か、全員はわからないのですが、”きっとあの方だろう”って方々、上手ですね〜。 身のこなしがキビキビしています。 ストーリー展開も面白いし、アドリブも面白すぎっ。 新感線の他の舞台も観たくなりました。

”全然、舞台の様子や話の内容がわかんないじゃないか!”って感じですが(苦笑)。 ちょっとだけ。

舞台上には数多くのモニターがあり、開演前、それぞれの画面が現代の町の様子を映し出していました。 初めはどうしてこの映像が流れるのかわかんなかったけど、最後の方で最初と同じような映像と現代の戦争の映像が流れた時、「昔も今も人は変わんないな」と。 知恵伊豆たちには利害関係や色んな思惑があり、キリシタンたちや農民たちにも利害関係や色んな思惑がある。 互いに自分の信じる道を突き進んだ結果、あれほど多くの人を失った天草の乱。 智恵伊豆たちが造り上げる国というのがどんなものか見守っていく、とキリシタンたちは言ってました(大雑把)。 ・・・彼らはどう思うでしょうね?

それからそのモニター。 歌詞やセリフも映し出していました。 楽しいシーンのセリフや映像が漫画みたいにガンガン流れるのは面白かったです。 ”しげちゃん”こと板倉重昌役の吉野圭吾さんがまさか享年50歳とはっ(場内、”うそやろ〜?”と言いたげな笑いの渦)。 重いテーマなのに、暗くならず重くなりすぎずに最後まで観られたのは、時々入るコミカルな演技とこの映像での工夫だと思いました。 カーテンコールの時のエンドロールもこのモニターが使われました。 ほんと、上手に使ってはるな〜と思いました。(”何様だよ!?って感じですね、私・汗”)

最後の最後は、”さぁ皆様、ご一緒に♪”って感じのロックコンサートでした。 スタンディングですわ、ロックコンサートはスタンディング。 椅子を蹴って立ち上がるんです(笑)。 私は三階だったので転がり落ちるのが怖かったから、蹴らずに すっくと立ったんですが(笑)。  でも、スタンディングしたら突然 『ヘドウィグ』 思い出しちゃって。(^^ゞ  里心ついた、って言うんでしょうか?(笑) とっても三上さんの舞台が観たくてたまらなくなってしまいました。 新感線の舞台にもいつか出て欲しいな。


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『タイタス・アンドロニカス』
 2004年2月11日 シアター・ドラマシティ  作:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄

第2の妻の付き人コプラこと、横田栄司さんが出演されるということで、妙に、”身内意識(笑)”が働いて、舞台を観に行ってきました。 作品についての大まかな知識はありましたが、舞台についての知識は、「蜷川さんが演出されて、コプラがどこかで出るらしい」くらいなものでした(汗)。

なので、開幕してびっくり!! なんと、コプラは、『チャンス!』 の武藤さんこと、鶴見辰吾さんの弟役でした(大笑)。 眉間にしわ寄せ超真面目に演技する武藤さんに 「武藤! おぃっ武藤!」と笑い転げる本城さんの姿を思い浮かべ、最初から笑いが止まらなくなってしまった私(そんな失礼な人は、客席に私だけのはず)。 作品が超シリアスなものだけに、本当に困りました。

『青ひげ公の城』の時は、お茶目ばっかりやってたから気づかなかったのですが、コプラって、男前でした(失礼ふたたび)。 少女漫画のように、目に☆が入っていました。 優しく、愛と正義に燃える王子様役(しかも、さっさと殺される)だったから余計にそうだったのかもしれません。(^^ゞ

コプラって、ギリシャ彫刻みたいなお顔されてました〜、それも、可愛い系の。
・・可愛い系のギリシャ彫刻みたいな顔の代表といえば!?
それは、三上さん〜〜♪ いつか、兄弟役して頂きたいものだ、と思いました。

武藤さんは、能力も人望もないくせに野望だけは大きい王様役でした。  で、よりBIGな野望を持ち、その妻の座についたタモーラこと、麻実れいさん。 いや〜〜、凄かったです。 この方の演技を見られただけで、この舞台、値打ちがありました。 色っぽいし、品がある。 瞬時に可愛らしくも恐ろしくもなり、凄みがあって迫力満点。 誰かみたい! そぉ、三上さん♪(あはは)

ほんとにもう、麻実れいさんとは、ぜひぜひ共演していただきたいと思いながら、劇場を後にしました。


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『奴婢訓』  万有引力
 2004年1月17日 びわこホール  作:寺山修司 演出:J.A.シーザー

とうとう行って来ました、見たくてたまらなかった『奴婢訓』!
”『奴婢訓』見ずして寺山は語れない  『奴婢訓』見ずして現代演劇は語れない(パンフレットより)”ですもんね。

チケット前売り開始と同時に電話をかけました。 「2列目中央にしますか?」と尋ねられ、舞台全体を見たいから、という理由で、客席中央の席にしました。 後で分かったことですが、2列目中央だったら、目のやり場に困ったかも、私。(*^。^*)

この舞台、何が嬉しかったかって、『青ひげ公の城』の時、大いに気に入ったマッチのシーンが多用されていたこと。

本当に素敵なんです。 暗闇に一瞬だけマッチの明かりが浮かび消え、その時だけ役者さんの顔が浮かび上がりセリフが聞こえる。 ほんの一瞬のこと。 真っ暗な中だけど、身のこなしが素早く、凛としているのが伝わります。 何度見ても惚れ惚れ〜〜、かっこいぃ〜〜〜。 ”大滅亡”も初めて見ました。 あんなに跳ぶとは思わなかった。 かなり長い時間だったから、役者さん、大変だったでしょう。

”大滅亡”も凄かったですが、他にも至るところで凄いシーンが多くありました。 肩で逆立ちしたまま長時間セリフを言い続けたり、二人の役者さんが双方向から細い棒に対して垂直に吊り下げ(客席から見たら棒を挟んだ二等辺三角形の底辺が役者さん)られたまま長時間セリフを言い続けたり。

どちらも、全く体が揺れず、セリフもきちんと聞き取れる。 とても鍛え抜かれていないと、こんなこと出来ません。 一瞬の気の緩みも許されない演技だと思いました。 この外にもいっぱい。 どれも奇をてらっているのでなく、緩みや無駄のない緊張感でイッパイのドキドキわくわくする舞台でした。 それでいて、やっぱり押し付けがない。 媚びたところがない。 温かくて楽しげ。 素晴らしい。 小竹さんの舞台装置ももちろん素晴らしく美しく、シーザーさんの音楽もやっぱり大好きでした。

シーザーさんの音楽が鳴り響き万有引力の役者さんが出演する、他の誰でもない、シーザーさん演出・寺山さんの舞台が大好きです。 特に、シーザーさんの音楽のない寺山さんの舞台は、どうにも違和感があって仕方がないです。 関西でも、もっと上演してくださると良いな。 三上さん、また出て下さるといいな。(*^。^*)

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